紅瑞雲

「海の見える美術館」

静岡県熱海市に建つMOA美術館では、ロビーから相模湾の雄大な景色を望む事ができます。

冬澄み渡る空気の中、水平線に浮かぶ半島の稜線

夏は蒼い松越しに白波立つ海の景色

季節ごとに良さがありますが、春は暖かな陽ざしに照らされた淡い桜が、海の景に彩を添えます。

 

この雄大な海と桜の景観も見物ですが、敷地内には訪ねてみたい桜の大樹があります。

美術館を出て、整備された道を進み、竹庭の中央にある「紅瑞雲(べにずいうん)」

淡い紅色の花びらは先が少し濃い色で、一重咲の大輪です。谷地形の竹林に囲まれ、満開の花をつけたその姿は、ひときわ艶やかです。

慌ただしさの中、気付けば、桜の時期を逃してしまっていたここ数年、近くで過ごしながら、はじめて見る「紅瑞雲」の花姿に、束の間でしたが春の訪れを深く味わう事ができました。