先日、みがき隊講師の太田新之介先生から熱海・東山荘のスケッチについてご指導を頂きました。
その中で、「何も見ずに自分の記憶だけを頼りにして、熱海・東山荘のスケッチを描いてみて下さい」というお題がありました。
(えっ…………………。)
頭の中が真っ白になり、戸惑いしかなく、クロッキー帳を開いてもなかなか鉛筆が動いてくれません。今まで現地を見ていたようで如何に見ていなかったか、まざまざと思い知らされた瞬間でした。
特定の場所を知る手段の1つとして、GoogleEarthがあります。
GoogleEarthは、道路や敷地、建物等を3D化して、大きさや形、色、位置関係等の情報を瞬時に私達に教えてくれます。リアルさゆえ、現地へ足を運んだかのような錯覚に陥ってしまう程です。
しかし、先生は実際に現地に足を運び、五感を研ぎ澄ませながら自分の目でありのままを観察することが大切であると言います。現地に漂う空気と肌が触れ合い、人や小鳥、雨の音に耳を澄まし、建物や木々の間から差し込む陽を浴びて…。
そして、年月の経過と共に、刻々と変化する現地に通うことは、現地の様々な情報を自分の中に体得できると感じています。
GoogleEarthは、情報を迅速に収集できますが、一側面の情報しか得られず、自分の中にどれだけの情報を体得できるか疑問であります。一方、現地で自ら体得した情報はきっと消え失せることなく、今後の自らが創造する力に還元されるものだろうと感じています。
拠り所は、WEB上の情報か、自ら現地で体感した情報か。先生から常々ご教授頂いている「信は力なり」というお言葉の意味を改めて考えさせられます。
自分を信じることができる自分づくりに今後邁進していきたいと、心を新たにさせて頂きました。
(写真上:名建築みがき隊クロッキー帳)
(写真中:GoogleEarthでみた熱海・東山荘)
(写真下:想像して手で描いた熱海・東山荘)