「陽明館」ワークショップを開催!

国の登録有形文化財に答申された「陽明館」にて、管理者の方々と一緒にワークショップを行いました。

みがき隊としては、初めての試みとなった今回のワークショップでは、各部屋をめぐりながら、
講師の太田先生より、建築家の視点を通して陽明館の特徴を解説をしていただきました。 

 

ちょっとした柱や欄間の傷からも、
当時どのように使われていたのか?
寒さを凌いでいたのではないか?とか
収納に使われていたのでは?とか
往時に思いを馳せながら見学させていただきました。

 

実際に住まいとして使われていた当時を知る参加者の方のエピソードも興味深く、大事な記録となることも教えていただきました。

 

また、陽明館は熱海市桃山の台地に建っていますが、南向きの大きな窓から望む相模灘は、東山荘からの眺望とはまた違った良さがありました。

 

 

最後は車座になって、感想のシェアタイムと、今後の維持管理や利活用についてざっくばらんに話し合う機会を設けました。

 

講師の太田先生からは以下の3つの要素を教えていただき、美意識を高め、普遍的な価値を理解することで、行動につなげることの大切さを学びました。

①直感:品格を感じる美意識
②細見(さいけん):部材や空間構成、バランス感覚など。体験と知識が重要。
③評価:文化財としての価値

 

また、陽明館は、設備や立地の面でも、特に茶の湯や日本文化を伝える場としても、魅力的で大きな可能性を秘めていることを実感しました。

名建築・みがき隊としても、陽明館がよりよい状態で受け継がれ、多くの方に楽しんでいただける場となるよう共に学びながら盛り上げていければと思います。

 

(写真上段左:欄間の木目観察)
(写真上段右:記録写真と現在の比較)
(写真中段上:階段の照明と窓を開放した所)
(写真中段下:開放的な窓からの眺望)
(写真下段:茶の湯でどのように使えるか検討中)

 



記事投稿:名建築・みがき隊事務局 日野美奈子