「東山荘」第7回ワークショップを開催

国の登録有形文化財「東山荘」は敷地内の7棟※が文化財として登録されています。
(※正門、本館、離れ、物置、別館、茶室、蔵)
その中で、今回は老朽化した「茶室」の復元に向け、講師の太田先生をお迎えして、
所有者や管理者の方々とともに、茶室の現状と今後の保全について助言をいただきました。

 

台風一過の猛暑の中、冷房の無い茶室内での長時間の作業は危険なため、まずは本館の居間にて、茶室の現状や日常管理、問題点など、事前にチェックポイントの洗い出しを行いました。

 

 

 

続いて茶室では壁や天井、さらには設備まで状況を見てまわります。床の間には椿の床柱など希少な材料が用いられていますが、一方で古くなった屋根からは雨漏りの形跡もありました。

こうした貴重な建築を保護していくため文化財として指定されている側面があります。

これからの復元工事も見据えて大工さん、日常管理者、それぞれの視点で現状をチェックしました。

 

ふと目を外にやると、窓から見える海の眺望が大きく育った木に遮られてしまっています。
建物のみならず、庭の景色も含めトータルな視点が必要だということも学びました。

 

 

 

 

このワークショップを通して、皆さんの意識も高まり、日常の手入れがやりやすい状態を目指し、まずは最初の一歩が進んだのではないでしょうか。

復元された後、この茶室はどのように使われていくのか?

ここでお茶会が催されるのかと思うととワクワクしてきます。

みなさんもどうぞお楽しみに!

 

文化遺産オンライン「東山荘茶室」
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/295259

写真上から
「本館での事前打合せ」
「床柱のチェック」
「窓からの眺望」
「室内全体のチェック」

 



記事投稿:名建築・みがき隊事務局 日野美奈子