東山荘の原風景

5月17日、内田青蔵 教授(神奈川大学工学部建築学科)と一般財団法人 住総研の調査関係の皆様によって、東山荘の建物調査が行われ、立ち合いをさせて頂きました。

東山荘は敷地内の7棟が登録有形文化財となっていますが、そのうち初代オーナーの石井健吾による「正門」「本館」「倉庫」「離れ応接」、さらに二代目オーナーの山下亀三郎による「別館」「茶室」の計6棟は、清水組(現:清水建設株式会社)の手によって建築されました。
この度、当時の清水組が施工した住宅建築の調査が実施され、国内に現存する55棟の内、貴重な遺構として東山荘も調査対象となりました。

創建当初の図面や古写真を手に、調査の御一行と東山荘の各所を巡りながら、今まで知り得なかった事実も見えてきました。
本館にある地下室にまつわる謎が解け、また離れ応接の創建当時の姿がわかるなど、昭和初期の熱海別荘建築の原風景を垣間見るおもいでした。

さらに、室内の意匠や部材の使い方といった細かな部分まで確認され、別館の柱材においては古材利用が考えられるなど、創建以前のルーツにまで話題が及びました。

調査を終えた総評として、高い水準で建築された別荘建築が、所有者によって非常に良好な状態で維持されており、文化財として将来さらに価値あるものになるとのお話しでした。

調査機関には、オリジナル資料について提供をお願いしています。
また、この調査と時期を同じくして、所有者が保管する資料から、創建当初のものと推定される照明器具の写真も出てきました。様々な資料を基に、今迄知ることがなかった東山荘のいにしえの姿がを見えてくるかもしれません。新しい発見がありましたら、当ホームページでもお知らせしたいと思います。

しかし、東山荘の原風景で最たる魅力は、相模灘を望む絶景といえるでしょう。
かつて、この建物の歴代オーナーが愛でた熱海の景色は、創建以来八十五年を経た今でも、訪れる人々に清々しい喜びを与えてくれます。

こうした東山荘の魅力的な価値を次の世代に継承するためにも、みがき隊のワークショップにて、東山荘の原風景をみなさんと一緒に体感できると嬉しいと思っています。