古都・かなざわ にて

先般、石川県金沢市で開催された日本建築家協会のJIAフレッシュマンセミナー(2/24-25)に参加しました。

 
金沢駅前 鼓門                 セミナー風景

セミナーの一日目は、金沢美術工芸大学の坂本英之 教授より金沢の都市構造について講義を受け、活気漲る「近江まち市場」や、古都の風情漂う「ひがし茶屋街」周辺を巡りました。

 
近江町市場                   ひがし茶屋街

まち歩きを通して、金沢が城下町の構造を残し2本の川と3つの段丘によって立体的な視点場と豊かな景観を持つ都市であるという事が読み取れ、その魅力を深く体験できました。

夜の懇親会では3分スピーチがあり、北海道から沖縄まで地方性豊かに活躍している参加者18名が自己PRを発表しあい、互いの交流を深めました。

 
HATCHI                    2段ベッドの宿泊室

宿泊先は仏壇店のビルをリノベーションしたシェアホテルで、二段ベッドの20人相部屋に幼いの頃の原体験を重ね心が躍ります。

ホテルのシェアキッチンでの懇親では、平昌オリンピックで日本カーリング女子がメダルを奪取した瞬間とも重なり、盛り上がりの中で建築談義を交わして、とても良い刺激となりました。

 
石川県立歴史博物館               鈴木大拙館

二日目は、金沢工業大学の水野一郎 教授から金沢の歴史について講義を受け、金沢城公園や赤レンガ造の県立歴史博物館、鈴木大拙館や金沢21世紀美術館などを巡りました。

金沢は歴史的に震災や戦災を受けなかった事で、江戸、近代、現代と各時代の価値や美意識が重層的に残る都市であり、工芸と建築が人々の生活の中に息づく魅力的な都市であると感じました。

 
志摩(重要文化財)               かんざしや櫛などの工芸品

このセミナーで、歴史ある建物や町並みの保存継承と、未来に向け新しい価値の創造付加が、職能を活かす私たちの役割であるとのお話しがとても印象に残りました。

改めて、後世に継ぐべき建築を読み解いていくため、自らが住む都市の背景となる歴史や文化に見聞を深めつつ、「名建築・みがき隊」の活動を通して、市民運動の和を拡げていきたいと思います。

今冬、北陸地方は例年にない豪雪に見舞われ、セミナーの準備や運営にあたっては多くのご苦労があったと思います。末筆に、この度のセミナーに関わられた全ての皆様に心から感謝申し上げます。

(写真上:兼六園の徽軫灯籠(ことじとうろう)と雪吊りの風景)